うわさに聞いていた学振というものをはじめて申請することになった。恐る恐る読んでみたが、会社でのドキュメンテーションと本質的には変わらないのだということがわかって少し安心した。とはいえ決して楽なものではない。
大学教員が書類仕事に忙殺されているなんて話はよく聞くが、その一部がこういった申請書の作成なのだろうなというのがなんとなくイメージできるようにもなった。大学は自由に研究できる場でありながら、一方でちゃんと予算を確保しなくてはいけない。当たり前のことなのだけれども、アカデミアで生きていくとはそういうことなのだろう。
本書の最後には Appendix として「実際の学振申請書」のサンプルが 8 つも記載されている。パラパラと眺めてみると、たしかに見やすくはなってはいるのだが、それでも文字数は多いことがわかる。専門的な内容をいかにわかりやすく伝えるか。これも研究者の腕の見せどころであるように感じた。