「TABATA PROTOCOL」という「 10 秒間の休息を挟み、 20 秒間の強度の高い運動を 8 セット、すなわち 4 分行うことで疲労困憊に至るようなトレーニング」が存在する。ご存じの方も多いだろうが、 これは 1990 年代、著者田畑泉の研究チームにより発表されたもので、アメリカ西海岸のトレーニングマニアたちの間で流行り、日本に逆輸入された。長野オリンピックで金メダルを獲得した、元スピードスケート選手の清水宏保も実践していたそうで、本書のインタビューにも登場している。
元々自分も筋力トレーニングや自転車通勤を日常的に行っているので、運動をしていない方でもないのだが、たまに球技をやると体力のなさを痛感する。ただこの「球技における体力」の正体がよくわからず、効率的なトレーニング方法がないかを探していた。幸いタバタ式というのは聞いたことがあったので、実際にその提唱者が書いた本をまずは読んでみようということになった。
結論から言うと、科学的かつ丁寧に説明がなされていたため、ものすごく納得感があった。この手の本はトレーナーの経験や勘に基づくものが圧倒的に多く、とりあえずやってみながら調子を見ようという展開になりがちだ。しかし本書では、筋肉の収縮で必要な ATP を再合成するための「有酸素性」と「無酸素性」のエネルギー供給機構の違いから始まって、それぞれの能力の指標となる「最大酸素摂取量」や「最大酸素借」、トレーニングによるそれらの数値の変化に至るまでが網羅的に紹介されている。
大会にも出場する予定なので、すぐさま実践してみようと思った。