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数値流体解析の基礎

最終更新日: 2025 年 03 月 24 日

実装はかなり大変だったが、流体が動いて見えるという体験は感動的ですらあった。特に角柱を置いたときの流れは、学生のときに実験で観察したときの結果そのものであった(たしか自分が眠っている間にクラスメイトが進めてくれていて、起きたらこの状態になっていた記憶がある)。

Vorticity Simulation

渦度のシミュレーション

いま自身の研究では量子化学計算から経済性評価まで、化学品の生産についてミクロとマクロの両面からシミュレーションを行っているが、両者を埋めるものとして CFD(計算流体力学)を学ぼうと思ったのが本書を読んでみたきっかけである。基本的にはナビエ・ストークス方程式をいかにして実装してゆくかという話なので、概念的に難しいところはそんなになかった。

一方でその実装は非常に複雑だった。ある程度までできあがってくると、エラーは出ないがプロットがおかしいという状況によく出会う。 1 行 1 行確認してゆくとループの開始が 0 ではなくて 1 になっていた、というようなことがほとんどで、実際にシミュレーションしてる人たちはどうやってデバッグしているんだという気持ちになってしまった。