燃料電池について学ぶ必要が出てきたので読んだ。単なる自動車の材料や部品のみならず、水素エネルギーシステムといった壮大なテーマも扱われている。そういえば燃料電池自動車を使ったレースが 2023 年にドイツで開幕するというアナウンスが昔あったが、 2024 年 4 月現在、特にこれがスタートしたというニュースはない。自動車についてはまったく詳しくないのだけれども、水素の時代が来るはまだまだ先のようだ。
ただやはりインフラストラクチャとしての水素を考えると、非常におもしろい世界が広がっているように思う。化石燃料を使ったグレー水素から、 CO2 を貯蔵する形でその排出量を減らすブルー水素を経て、いかにして電気分解によるグリーン水素の製造を可能にするのか。安全な水素ステーションをどのように設計し、またそれをどこに配置するのが最適なのか。考慮すべきことは山ほどあるし、これが普及する保証はどこにもないのだけれども、未来を考えるとはこういうことなのだという実感が得られた。