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日本の神話と神様手帖

最終更新日: 2024 年 01 月 24 日

出雲で読んだ本。日本神話なんて長らく触れてないなぁなんて思ってはいたが、ギリシア神話などと比べればとてもコンパクトだった。ベースが『古事記』『日本書紀』くらいしかないので、当然といえば当然である。難しいのは漢字の読み方くらいか。また日本最古の書物とはいえ、これらの編纂は 8 世紀とかなり新しい。仏教公伝は 6 世紀だし、もちろんその影響も受けているであろうことを考えると、国学が対象としている純粋に日本的なものとは一体なんなのか、というのが気になってくる。

そして物語としては、やはりスサノオの存在感が圧倒的であった。北欧神話で登場するロキのように、神話のおもしろさはトリックスターによって生み出されるものとかねてから思っていたが、スサノオも多分にその性質を持っている。彼らは英雄であり道化でもある。アンビバレントな存在そのものが、人間を強く惹きつけるのかもしれない。どうやらユングらもそのあたりの研究(『トリックスター』)をしていたようなので、今度読んでみようと思う。