自分の知らないところに関しては相変わらず読むのが辛かったが、 11 世紀以降ともなると有名な人物がどんどんと登場してくるので、楽しめる部分も増えた。フェデリーコ 2 世、クビライ、バイバルス、ジャンヌ・ダルク、コジモ・デ・メディチ。 1,001 年から 1,500 年までと扱っている年代は 500 年の幅があるものの、それぞれの人物がどこでなにをしていたのかというのが、頭の中で少しずつ埋められてゆく。
こうやって眺めてみると、中世もなかなかにおもしろい。本書でも 19 世紀の歴史家ヤーコブ・ブルクハルトが、一部を除き中世を暗黒時代のように評価していた点について触れているが、その流れは未だに続いているように思われる。そういった固定観念を外して考えると、近世から現代につながるような思想が、この頃からすでに形成され始めていたことがなんとなく見えてくる。通史で時代を捉えることの意味を、改めて感じさせてくれる第 3 巻だった。