結論はありきたりだったが、ここまで綿密にエネルギーの歴史を語られたあとだと説得力がある。エネルギーというものを過大評価しても過小評価してもいけない。「一人当たりのエネルギー使用と、生活や個人的幸福に対する満足度とのあいだにも、明白な関連はいっさいなかった」という文章が印象的だった。僕らがエネルギーを(かなり単純化していえば経済を)追い求めることの意味を考えさせられる。
また、以下は自分の直観とも合致する。
要するに、私たちは化石燃料の早い枯渇を心配するよりも、むしろ生物圏の居住可能性に対する(何より、地球全体の気候変動を通じての)影響を考えるべきなのであり、これこそが石炭と炭化水素への世界的な依存の結果としてあらわれた、短期的にも長期的にも最も重要な懸念事項なのである。僕らの世代はこの問題を考え続けねばならない、と思う。