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オルレアンの少女

最終更新日: 2025 年 02 月 04 日

僕が思い描く典型的なジャンヌ・ダルクだなと思った。というより、シラーの作ったそのイメージが、今日まで引き継がれていると言った方がよいのかもしれない。古い訳というのもあるが、日本の時代劇を見ているようでもあった。

最近シラーの作品を少しずつ読み進めようとしているが、本作は『ヴィルヘルム・テル』の次に手にした本である。双方とも歴史上の(伝説上の)人物を題材としており、また構図もシンプルだったので、わかりやすく楽しめたという感じだ。一方で彼の深遠さのようなものはまだ感じられていない。読んだのが最晩年の戯曲だったというのも関係しているかもしれない。

次はいよいよ『群盗』にチャレンジしてみようと思っている。今度は逆に処女作だが、『カラマーゾフの兄弟』に多大なる影響を与えたようだから、今から楽しみだ。