k.style

熱力学

最終更新日: 2024 年 02 月 17 日

熱力学の本なんて読むのは本当に久しぶりだったが、改めて触れてみると非常に素朴な学問であるように感じた。もちろんこのテキスト自体がとても丁寧に書かれていたこともその理由のひとつだろう。けれども統計力学など、 1 度でもミクロの体系に触れてからこのマクロの世界に戻ってくると、温度といった状態量そのものが、なんだか捉えどころのないもののように思われてくる。

そして熱現象の不可逆性についての経験事実を述べた熱力学第 2 法則は、やはり物理学のおもしろさを教えてくれる。ちなみにこれにはたくさんの表現方法がある。エントロピー増大則で説明されることが多いようにも思うが、「仕事が熱に変わる現象は不可逆である」としたトムソンの原理や「熱が高温から低温に移る現象が不可逆である」というクラウジウスの原理もその一種である。

この話が結局マクスウェルの悪魔へとつながってゆく。情報の消去といった論理的に非可逆な計算からエントロピー増大則を示すランダウアーの原理があるけれども、これに関してはまだまだ勉強が足りず理解できていない。